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しあわせの音

VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです

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Your name, My Lover

『名前を呼ぶ』。このネタもかなり使い古してますよね……ボロ雑巾みたいになってるかも?(笑)
栄二モモ。甘々、だと自分では思ってます。






「モ~モちゃん♪」

 何度でも呼びたくなる、魔法のような名前を呼ぶ。
 心がふわふわとしてきて、栄二はにんまりと笑った。



Your name My Lover




「栄二さん、どうかしたんですか?」
 モモは一段落した掃除の手を止め、不思議そうに小首をかしげる。
「ん? どーもしないよ」
 栄二はゆるんだ頬を手で押さえ、そう答える。
 どうもしていない、のはたしかだ。
 どうにかなってしまった、かもしれないが。
「なんだか嬉しそうにしてます」
 まだ納得がいかなさそうにモモは栄二を見る。
 交わる視線が、気恥ずかしくて、嬉しい。
「そりゃあモモちゃんと一緒にいるからね!」
 これ以上ないくらい、今の自分は幸せそうな顔をしているだろう。
 そんな自信を持てるほどに、栄二は浮かれていた。

「モモちゃんモモちゃんモ~モちゃん」
 まるで幸せになれる呪文のようだ。
 大好きな人の名前を呼ぶだけで、心が舞い上がる。
「はい、モモです。
 何かご用事ですか?」
 そして大好きで大好きな人が応えてくれる。
 やっぱり、幸せだ。
 栄二は何度目か分からない思いをかみしめる。
 くり返し考えてみても、いつも同じ結論にたどり着く。
「ううん、何にもないんだけどさ」
 用事はない。
 モモはやってほしいことは言う前にやってくれるから。
 当たり前になった家事。見えないところでいつも支えてくれる細い腕。
 どれだけ助けられているのか、分からない。
「モモちゃんの名前を呼んで、返事が返ってくるのが嬉しいんだ!」
 特別な名前。誰より大切にしたいと願う人の名前。
 呼べば、すぐに愛らしい声が返ってくる。
 愛しいと、思わずにはいられない。
 両手で抱えても足りないくらい、栄二の特別を持っているモモ。
 傍にいる。声が届く。
 どれくらい嬉しいかなんて、自分でも計りきれない。
「だったら、好きなだけ呼んでください。
 ちゃんと返事をしますから」
 モモが花のような笑みを浮かべてそう言ってくれる。
 この笑顔が、何より大切で、守りたい。

「モモちゃん」
 栄二が名前を呼べば、
「はい」
 モモはちゃんと応えてくれる。
「あ~やっぱ好きだなぁ。
 モモちゃん可愛い!」
 思わずモモをぎゅっと抱きしめる。
 自分よりも小さくてやわらかい、宝物。
 甘い香りがふわりとかすめた気がして、栄二は目を閉じる。
 ぬくもりが、腕の中にいる。
 緊張して固まって、どうしようかときっと困っている。
「栄二さんも素敵ですよ」
 すとん、と。
 体重が預けられる。
 信頼してくれているのだと、伝わってくる。
 自分の体が兄くらい大きければ、すっぽり包み込んであげることもできたのに。
 そう思ってしまうくらい細い肩を、栄二は壊さないようそっと抱き寄せる。

「モモちゃんが笑顔で返事してくれるのが好き。
 モモちゃんの可愛い声で、オレの名前呼ばれるのも好き。
 モモちゃんの全部が、大好きだよ」

 ゆっくりと、一音一音を大切にして言葉にする。
 自然と降り積もってゆく『大好き』だという想い。
 英二の心を捕らえて離さない、少女の魅力。
 何度好きだと言っても足りない。何度名前を呼んだって、足りない。
 あふれ返ってしまいそうな想いが、音となって口をつく。
「栄二さんが笑顔で駆け寄ってきてくれるのが好きです。
 栄二さんが元気よく、私の名前を呼んでくれるのも好きです。
 栄二さんのすべてが、大好きですよ」
 モモからも、たくさんの『大好き』をもらう。
 長く、心に秘めてくれていた想い。
 栄二が気づくまで待っていてくれた、真心のかたち。
 これからは、同じだけの好きを返していけるようにと。
 心から栄二は望む。

「相思相愛だね!」
 あこがれていた言葉。自分がそうなれるとは思っていなかった言葉。
 今なら、使うことができる。
 ずっと前から自分を想ってくれていた、気持ちに応えてくれた彼女となら。
「そうですね!」
 同意してくれた大好きな人は、さくらんぼのように顔を真っ赤に染めていた。





 相思相愛なお二人で~す。いやぁ、熱々ですね!
 そういえばUTAUキャラで恋人になったあとの話って、これが初めてですよね。くっつけた話はこの二人のを合わせて三作あるのに。
 はっきり言って……うんごい恥ずかしかったです(*ノェノ)
 何いちゃついてんだ~!! とか。お前ら恥ずかしいんじゃ~!! とか。我に返るたびに叫びたくなりました(笑)
 まあ、幸せなのはいいことですよね。よきかなよきかなv
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