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しあわせの音

VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです

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Romantic feeling

 
 栄二モモ。甘め。またもカップリング要素満載です。
 一応、「Specially about him」前提の話だったりします。






 分かったことがあるんだ。
 ずっとずっと、探してた答え。
 やっと見つけたから、君に一番に伝えようと思ったんだ。



Romantic feeling




 もう皆は寝てるだろう時間。
 共有スペースの掃除をしているモモと、二人きり。
「ねえモモちゃん」
 栄二は大切な子の名前を呼ぶ。
「はい?」
 大切な子が、返事をしてくれる。
 それだけで幸せになれる。
 どうして今まで気づかなかったんだろう。
 こんなにも、自分の中で彼女は大きい。

「好きだよ」

 ありったけの想いを込めて、告げる。
 何度言ったか分からない言葉。
 けれど含む意味は全然違っていた。
「私も栄二さんのこと、好きですよ」
 少しの間のあと、モモはこちらを見ずに言う。
 それは望んでいたような返答じゃなく、でも簡単に伝わらなくてもしょうがないとも思った。
 だって自分は子どもだったから。設定年齢が、とか以前に。
「ん~と、そうじゃなくって、ちゃんとした“好き”なんだ」
 今までの“好き”と、今回の“好き”。
 言葉は一緒でも、意味は、思いの重みは変わっていて。
 分かってもらうためには、どう言えばいいだろう。
 難しいけれど、言葉を惜しんではいけないと思った。
「?」
 モモが栄二に向き直り、小首をかしげる。
 その拍子にさらっと流れた桃色の髪にさえ、目を奪われてしまう。

「モモちゃんのこと、女の子として好きなんだよ。
 恋愛感情ってヤツ」
 はっきりと、心のままに栄二は告げる。
 そう。恋愛感情だ。
 正しく言い表せたことが嬉しくて、栄二は笑みをこぼした。
 モモがモップを取り落とし、カタンッと大きな音がする。
「え……そ、その……」
 よっぽど驚いたのか、しどろもどろになっていた。
 無理もないかもしれない。
 過去に恋愛感情が分からないと相談したこともあったのだから。
「モモちゃんは?」
 栄二は立ち上がって、モモの目の前まで歩を進める。
「オレのこと、どんな“好き”なの?」
 何度も何度も言い返してもらった言葉。
 そこに、特別な意味はあったんだろうか?

「え、栄二さん!」
 うつむいていたモモが、大声を出した。
「何?」
 栄二は目を瞬かせ、聞き返す。
 期待と不安が、半分ずつ栄二の中にあった。
 できることなら同じ気持ちでいてほしい。けれど友だちくらいにしか見られてないかもしれない。
 早く答えが聞きたかった。
「本当、なんですか?」
「冗談でモモちゃんにこんなこと言えない」
 疑われたのがショックで、顔をしかめてしまう。
 “言わない”の前に、“言えない”。
 こんな質の悪い冗談なんて、言えるわけがない。
「答えて、モモちゃん」
 栄二はモモの肩に手を置く。ビクリと彼女は震えた。
 言ってほしい言葉がある。

「……栄二さんは、ずるいです」
 モモは呟いて、おずおずと顔を上げる。
 八の字の眉。熱に潤んだ瞳。耳まで赤くなっていて。
 それだけで気持ちが伝わってくるような気がした。
「私の方が、ずっとずっと前から好きでした。
 なのにいきなりそんなこと言うなんて、ずるい」
 口をとがらせたモモに非難を浴びせられる。
 栄二はその言葉の意味を理解し、心が温かくなっていくのを感じた。
 こんな可愛らしい悪態もないだろう。
 彼女の態度が、言葉が、声が、すべてが愛おしい。
「ずるくてもいいよ。モモちゃんに好かれてるなら」
 にんまりと笑って、栄二は言う。
「それは、異性として好きってことだよね」
 それから一応、確認する。
 間違いだったら悲しすぎるから。

「当たり前なこと、訊かないでください。
 そうじゃなかったらこんなにドキドキしてません」
「ドキドキ?
 モモちゃんもドキドキしてる?」
 栄二が顔を近づけると、モモは半歩後ずさる。
「してますよ」
 さくらんぼのように赤い顔で、頷く。
 嬉しくて栄二は思わずモモを抱きしめた。
 腕の中で、硬直する大好きな人。
「本当だ。二人してバクバクだね」
 同調するように、共鳴するように、二人の胸の鼓動は同じく早かった。
 心臓はないけれど、この心音は嘘じゃない。
「栄二さんのせいです」
 少しずつ、モモの体から緊張が抜けていくのが伝わる。
 手放したくない、大切なぬくもり。
「うん、責任は取るから」
 こういう台詞を男側が言うのが、普通らしい。
 動画や本から得た、偏った知識から、栄二は発言する。
 どう責任を取ればいいのかまでは、分からなかったけれど。

「……好きですよ」

 ささやくような、小さな声。
 何度も聞いていたはずなのに、ずっとずっと聞きたかったような気がする。
 最高に甘い響きに、少年の頬は自然とゆるむ。

「オレも、大好き!!」
 世界中の皆に宣言したいくらいの気持ちで、栄二は言った。





 続くかどうか分からない、くっつけてみよう第三段。
 この二人は珍しく恋愛に関しての話が前にあったので、書くのも楽でした。
 ところで、タイトルに思わず笑いが込み上げてきたりしませんでしたか? ロマンチックって(笑)
 恋愛感情ってそう言うようですよ。知らなかった~。
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comment

無題

  • 雪幸 
  • 2009/12/23(水) 19:17
  • edit

はじめまして!私、雪幸といいます!
UTAUのモモが好きで、たくさんのサイトを巡ってきたのですが、テトやテッドなんかが主流のようであまり良いサイト様にあえなかったのです;;
今日初めてたどり着いたのですが、モモと栄二のカップリングとても良かったです!!
モモの控えめな可愛さがとても・・・!!(悶絶中)
栄二くんの子供っぽいけど、男の子みたいな性格も大好きです^^
多分通い詰めちゃうと思いますが(←殴)、執筆頑張ってください!

いらっしゃいませ!

  • 樹神 〔管理人〕
  • 2009/12/23(水) 21:07

 雪幸さん、はじめまして!
 モモさんが好きなのですね! 私も大好きです♪
 テトとテッドの人気はやっぱり高いですよね~。三人娘のモモも、人気はある方なんですけどね(汗
 モモと栄二のカップリング、良かったですか!? マイナー一直線なので、そう言ってもらえるとほんとに嬉しいですv
 モモさんのかわいさを少しでも表せてたらいいなぁと思います(^^)
 栄二まで褒めてくださってありがとうございます!
 いくらでも通い詰めてくださいませ!! モモさんの更新は少ないかもしれませんが、がんばります♪

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