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しあわせの音

VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです

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Like or Hate or …Love?

 ソラサラ。&じゃなくて完全に×なのでご注意を。
 書いてないけどUTAU音源がたくさんの方のソラとサラです。






「ねぇソラ、もしあたしがソラのこと嫌いって言ったら、どーする?」

 ソラの部屋に入り浸っていたサラが、何の前触れもなしに言い出した。
 彼女はいつでも唐突だ。



Like or Hate or …Love ?




「今度は何の冗談ですか?」
 いつもいつも本気にはしていられない。
 ソラはため息をついて、体ごとサラに向き直る。
 ――そして、真摯なまなざしに囚われた。
「真面目に答えて」
 あせっているようにも聞こえる声は、どこまでも真剣だった。
 冗談などではないと、ピリピリとした空気が教える。
「どうするって……困ります、ね」
「なんで?」
 途惑いながらも答えると、間髪入れずに問いが返される。
 ソラにはサラの意図が分からない。
「姉さんはいつも好意的ですから」
 好きと言われたことは数え切れないくらいあっても、嫌いだなんて、一度もない。
 喧嘩をしたときや一方的に不機嫌なときでさえ、その言葉は出なかった。
 サラなりの分別なのだろうと彼は思っていた。

「じゃああたしが好き好き言ってなかったら、困らない?」
 そんなサラなんて想像もつかないが、ソラはがんばって想像してみる。
「やっぱり、困るんじゃないでしょうか」
「理由は?」
 今日のサラは質問してばかりだ。
 けれど本当に知りたいことは訊いていないように思える。
 接し方が、うまくつかめない。
「急に姉弟仲が悪くなると、周りもどう接すればいいか悩むでしょうし」
 客観的に述べると、サラは思いきり眉根を寄せる。
「……それだけ?」
 力いっぱい、責められているような気がする。
 本当に、何なんだ。
 彼女から、空気から伝わってくる、必死さ。
 何がしたいのか、何を言わせたいのか。
 考えても答えは出ない。
「僕個人としても、姉さんに嫌われるのはこたえます」
 ごまかすことも考えたが、結局は素直に答えた。
 姉のわがままには弱い。何でも聞いてしまいたくなる。
 どんなに困難なものでも、どんなに分かりづらいものであっても。
 これが彼女なりの甘え方なら、ソラは無条件に受け入れてしまうのだ。

「ソラ、好きだよ」
 張りつめた空気が和らいで、サラが微笑んで言う。
 いきなりで、どう受け取っていいか困惑した。
 意味を取り違えてしまいそうで。
「それは……ありがとうございます」
 ソラは何とか、よこしまな期待を打ち消した。
 彼女の思わせぶりな言動には慣らされていたから。
 無邪気で、風のようにつかみ所のないサラは、深く考えることなく物を言って、行動に移す。
 どれだけそれに翻弄されているかなんて、知らずに。

「……やっぱ、ソラなんてキライ」
 笑顔から一転して、泣きそうな顔。
 言葉は錆びた針のようにソラを突き刺し、毒を植える。
 おかしいと、理性は告げている。
 普段のサラならそんなことは冗談でも言わないと。
「姉さん?」
 動揺を隠して、ソラはいぶかしげに姉を呼ぶ。
 サラは立てた膝に顔をうずめさせていた。
「いつまで経っても名前を呼んでくれないソラなんて、女として見てくれないソラなんて嫌い。
 あたしのこと好きになってくれないソラなんて……大嫌い」
 サラは拗ねたように、けれど沈んだ声で呟く。
 名前で呼ばない理由を、そう解釈されていたのか。
 むしろ、逆だというのに。
 女として見てはいけないと思ったから、呼ばなかった。
「姉さん……」
 ソラの声は自然と震える。
 期待しても、言葉通りに受け取っても、いいのだろうか?
 サラが自分のことを、男として好きだと。
 想いは一方通行ではなかったのだと。

「あたしばっかり、好きだって言ってて。ソラが返してくれるのは十回に一回もない。
 それだって“お姉ちゃん”としてだもんね」
 自らをおとしめるような言葉ばかりが、サラの口から発せられる。
 一度勢いに乗ってしまうと、こういったものは厄介だ。
「姉さん、聞いてください」
 サラの肩に手を置いて、軽く揺する。
 それでもサラは、顔を上げない。
 彼の中でだんだん苛立ちが募っていく。
「人みたいに血がつながってるわけじゃないのに、中の人が同じだからって姉さん、姉さんって!
 魅力ないのなんて分かってるけど――」

「サラ」

 耳元で囁くと、言葉の洪水がピタリとやんだ。
 緊張からか、サラの体がこわばる。
「女として見ていないなんて、誰がいつ言いました?」
 思ったより冷たい声が出た。
 ソラを責めるのはかまわない。気づかなかったこちらにも落ち度はあるだろうから。
 それをさも自分のせいだとばかりに言ったことが悔しかった。
 たとえサラ自身でも、サラをけなすのは許せない。
「姉としても一人の女性としても、サラ姉さんは大切な存在です。
 名前を呼ばなかったのは、照れがあったからですよ」
 こうしてはっきり想いを口にしていたら、つらい思いをさせずに済んだだろうか。
 相手も自分も傷つける言葉を言わせずに済んだだろうか。
 情けなさに唇をかむ。
「だって、ソラはいっつも……」
 おずおずと顔を上げて、サラは何か言おうとするが、声はすぐに頼りないものになっていく。
 いつもサラに想いを寄せていた。
 彼女が気づかなかっただけで、ずっと前から。

「僕なりに気持ちを伝えてきたつもりでしたが、どうやら足りなかったようですね」
 十回に一回程度返していた『好き』は、特別な思いを詰めたものだった。
「そ、そーなの?」
 サラは目をまん丸にする。
 やっぱり、全然伝わっていなかった。
 予想以上の驚き様に、ソラはため息をかみ殺す。
「これからは周りなんて気にせず言葉にしてあげますから、覚悟していてください」
 それからニッコリと笑顔でそう告げた。
「ちょ~っと手加減してほしいなぁ、なんて」
 サラは困ったように笑って、視線を泳がせる。
「ご冗談を。誠意を疑われるのは御免ですから」
 聞けないお願いははっきりと断る。
 ソラは今とてもすっきりした心地だった。
 姉弟としての関係も大切にしたい。弟として、一番であれるならそれでもいいと、思っていたはずなのに。
 ……本当はきっとずっと、伝えたくて仕方がなかった。
 遠回しに伝えようとしても、手応えはなくて。
 半ばあきらめていたのだ。『このままでもいい』と。
 それでもどこかで、変化を望んでいた。

「でも、その前に確認させてください。
 姉さんは本当に僕のことが好きなんですよね?」
 サラからはまだきちんと聞いていなかったから、ソラは尋ねる。
「好きだよ! 大好き!!」
 言われ慣れている言葉。
 けれどソラの中で、甘く響き渡っていく。
「それは恋愛感情としてですか?」
「もっちろん!」
 最終確認に問えば、即答が返ってきて。
 喜びが電流のように全身を駆け巡る。
 これが“幸福感”というものなのだろう。

「……もしこれが人の見る夢と言うものだとしたら、自惚れてしまう前に目覚めてほしいですね」
 ソラは手で目元を覆って、そうこぼす。
 幸せすぎて、怖い。
「何言ってんの~。
 自惚れていいんだってば!」
 サラが少年の髪をくしゃりとかき回す。
 脳天気な声も。乱暴なくらいの手も。純度の高い琥珀のような瞳も。太陽のように明るい笑顔も。
 全部が全部。

「好きですよ、姉さん」

 感じたままを告げると、サラは顔を真っ赤にさせた。
 含む意味に気づいた途端に、顕著な反応をする。
 初々しさが可愛らしくて、ソラは笑った。
「……名前」
 彼女は悔しげににらんだあと、唇をとがらせて訂正する。
「サラ姉さん」
 名を呼んでそっと肩を抱き寄せると、力を抜いて体を預けてくれる。
 このぬくもりを自分は絶対に手放せないだろう。

 そう、ソラは思った。





 栄一とユフがくっつく話を書いてから、どうもそっちに頭が行きがちです。
 「この二人ならどうやってくっつくんだろう?」って。
 いつもはそれまでの経過を書くのが好きな人間なので珍しいことですが、一話でくっつけられるようがんばってみました!
 ……にしても、自分で書いといて何ですが、恥ずかしいですね(笑)
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comment

いいぞソラ君、もっとや(ry

  • 瑠香 
  • 2010/03/14(日) 14:59
  • edit

素晴らしいくっつき方!これ好きですホント^^
ソラ君大人ぁ~♪かっこいいです惚れました!
ありがとうございました!

そんなこと言われたら自重しませんよw

  • 樹神 〔管理人〕
  • 2010/03/16(火) 02:04

 すばらしいですか!? 好きとか本当に嬉しいです(^^)
 ソラはきっと大人ぶりたい年頃なんです(笑)
 瑠香さんに惚れてもらえてソラも喜んでるようですv
 コメントありがとうございました!

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