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≪ Romantic feeling | | HOME | | 9・君を忘れるわけがない ≫ |
Like or Hate or …Love?
ソラサラ。&じゃなくて完全に×なのでご注意を。
書いてないけどUTAU音源がたくさんの方のソラとサラです。
「今度は何の冗談ですか?」
いつもいつも本気にはしていられない。
ソラはため息をついて、体ごとサラに向き直る。
――そして、真摯なまなざしに囚われた。
「真面目に答えて」
あせっているようにも聞こえる声は、どこまでも真剣だった。
冗談などではないと、ピリピリとした空気が教える。
「どうするって……困ります、ね」
「なんで?」
途惑いながらも答えると、間髪入れずに問いが返される。
ソラにはサラの意図が分からない。
「姉さんはいつも好意的ですから」
好きと言われたことは数え切れないくらいあっても、嫌いだなんて、一度もない。
喧嘩をしたときや一方的に不機嫌なときでさえ、その言葉は出なかった。
サラなりの分別なのだろうと彼は思っていた。
「じゃああたしが好き好き言ってなかったら、困らない?」
そんなサラなんて想像もつかないが、ソラはがんばって想像してみる。
「やっぱり、困るんじゃないでしょうか」
「理由は?」
今日のサラは質問してばかりだ。
けれど本当に知りたいことは訊いていないように思える。
接し方が、うまくつかめない。
「急に姉弟仲が悪くなると、周りもどう接すればいいか悩むでしょうし」
客観的に述べると、サラは思いきり眉根を寄せる。
「……それだけ?」
力いっぱい、責められているような気がする。
本当に、何なんだ。
彼女から、空気から伝わってくる、必死さ。
何がしたいのか、何を言わせたいのか。
考えても答えは出ない。
「僕個人としても、姉さんに嫌われるのはこたえます」
ごまかすことも考えたが、結局は素直に答えた。
姉のわがままには弱い。何でも聞いてしまいたくなる。
どんなに困難なものでも、どんなに分かりづらいものであっても。
これが彼女なりの甘え方なら、ソラは無条件に受け入れてしまうのだ。
「ソラ、好きだよ」
張りつめた空気が和らいで、サラが微笑んで言う。
いきなりで、どう受け取っていいか困惑した。
意味を取り違えてしまいそうで。
「それは……ありがとうございます」
ソラは何とか、よこしまな期待を打ち消した。
彼女の思わせぶりな言動には慣らされていたから。
無邪気で、風のようにつかみ所のないサラは、深く考えることなく物を言って、行動に移す。
どれだけそれに翻弄されているかなんて、知らずに。
「……やっぱ、ソラなんてキライ」
笑顔から一転して、泣きそうな顔。
言葉は錆びた針のようにソラを突き刺し、毒を植える。
おかしいと、理性は告げている。
普段のサラならそんなことは冗談でも言わないと。
「姉さん?」
動揺を隠して、ソラはいぶかしげに姉を呼ぶ。
サラは立てた膝に顔をうずめさせていた。
「いつまで経っても名前を呼んでくれないソラなんて、女として見てくれないソラなんて嫌い。
あたしのこと好きになってくれないソラなんて……大嫌い」
サラは拗ねたように、けれど沈んだ声で呟く。
名前で呼ばない理由を、そう解釈されていたのか。
むしろ、逆だというのに。
女として見てはいけないと思ったから、呼ばなかった。
「姉さん……」
ソラの声は自然と震える。
期待しても、言葉通りに受け取っても、いいのだろうか?
サラが自分のことを、男として好きだと。
想いは一方通行ではなかったのだと。
「あたしばっかり、好きだって言ってて。ソラが返してくれるのは十回に一回もない。
それだって“お姉ちゃん”としてだもんね」
自らをおとしめるような言葉ばかりが、サラの口から発せられる。
一度勢いに乗ってしまうと、こういったものは厄介だ。
「姉さん、聞いてください」
サラの肩に手を置いて、軽く揺する。
それでもサラは、顔を上げない。
彼の中でだんだん苛立ちが募っていく。
「人みたいに血がつながってるわけじゃないのに、中の人が同じだからって姉さん、姉さんって!
魅力ないのなんて分かってるけど――」
「サラ」
耳元で囁くと、言葉の洪水がピタリとやんだ。
緊張からか、サラの体がこわばる。
「女として見ていないなんて、誰がいつ言いました?」
思ったより冷たい声が出た。
ソラを責めるのはかまわない。気づかなかったこちらにも落ち度はあるだろうから。
それをさも自分のせいだとばかりに言ったことが悔しかった。
たとえサラ自身でも、サラをけなすのは許せない。
「姉としても一人の女性としても、サラ姉さんは大切な存在です。
名前を呼ばなかったのは、照れがあったからですよ」
こうしてはっきり想いを口にしていたら、つらい思いをさせずに済んだだろうか。
相手も自分も傷つける言葉を言わせずに済んだだろうか。
情けなさに唇をかむ。
「だって、ソラはいっつも……」
おずおずと顔を上げて、サラは何か言おうとするが、声はすぐに頼りないものになっていく。
いつもサラに想いを寄せていた。
彼女が気づかなかっただけで、ずっと前から。
「僕なりに気持ちを伝えてきたつもりでしたが、どうやら足りなかったようですね」
十回に一回程度返していた『好き』は、特別な思いを詰めたものだった。
「そ、そーなの?」
サラは目をまん丸にする。
やっぱり、全然伝わっていなかった。
予想以上の驚き様に、ソラはため息をかみ殺す。
「これからは周りなんて気にせず言葉にしてあげますから、覚悟していてください」
それからニッコリと笑顔でそう告げた。
「ちょ~っと手加減してほしいなぁ、なんて」
サラは困ったように笑って、視線を泳がせる。
「ご冗談を。誠意を疑われるのは御免ですから」
聞けないお願いははっきりと断る。
ソラは今とてもすっきりした心地だった。
姉弟としての関係も大切にしたい。弟として、一番であれるならそれでもいいと、思っていたはずなのに。
……本当はきっとずっと、伝えたくて仕方がなかった。
遠回しに伝えようとしても、手応えはなくて。
半ばあきらめていたのだ。『このままでもいい』と。
それでもどこかで、変化を望んでいた。
「でも、その前に確認させてください。
姉さんは本当に僕のことが好きなんですよね?」
サラからはまだきちんと聞いていなかったから、ソラは尋ねる。
「好きだよ! 大好き!!」
言われ慣れている言葉。
けれどソラの中で、甘く響き渡っていく。
「それは恋愛感情としてですか?」
「もっちろん!」
最終確認に問えば、即答が返ってきて。
喜びが電流のように全身を駆け巡る。
これが“幸福感”というものなのだろう。
「……もしこれが人の見る夢と言うものだとしたら、自惚れてしまう前に目覚めてほしいですね」
ソラは手で目元を覆って、そうこぼす。
幸せすぎて、怖い。
「何言ってんの~。
自惚れていいんだってば!」
サラが少年の髪をくしゃりとかき回す。
脳天気な声も。乱暴なくらいの手も。純度の高い琥珀のような瞳も。太陽のように明るい笑顔も。
全部が全部。
「好きですよ、姉さん」
感じたままを告げると、サラは顔を真っ赤にさせた。
含む意味に気づいた途端に、顕著な反応をする。
初々しさが可愛らしくて、ソラは笑った。
「……名前」
彼女は悔しげににらんだあと、唇をとがらせて訂正する。
「サラ姉さん」
名を呼んでそっと肩を抱き寄せると、力を抜いて体を預けてくれる。
このぬくもりを自分は絶対に手放せないだろう。
そう、ソラは思った。
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素晴らしいくっつき方!これ好きですホント^^
ソラ君大人ぁ~♪かっこいいです惚れました!
ありがとうございました!
すばらしいですか!? 好きとか本当に嬉しいです(^^)
ソラはきっと大人ぶりたい年頃なんです(笑)
瑠香さんに惚れてもらえてソラも喜んでるようですv
コメントありがとうございました!