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Meaning of name
単発ネタのつもりだったのが、また思いついちゃったりとかありますよね。
そんなわけでモンとストラ。なぜか好きな組み合わせです。でこぼこ感がいいv
&です。多分ほのぼの。前も言ったけどうちのストラは女の子設定です。
「何でしょうか、螢歌君」
顔を上げて返事をすれば、見慣れた姿がそこにはあった。
螢歌ストラ。モンと同時期に配布された音源の一つ。
最近は一姫と仲良くなったらしく、よく一緒にいるのを見かける。
話が長くなりそうだと察知し、本にしおりを挟んで机の上に置いた。
「モンさんの名前の由来って何だっけ?
確か、原子力……違うな。現金……は離れた気がする」
ストラは考えるように腕を組んで、好き勝手に言葉を挙げていく。
かすりもしないあたりが、彼女らしいと言うべきか。
「元素記号と仰りたいのでは」
名前の由来、というとそれしか考えられなかったので、モンは助け船を出す。
「そう、それ!
カックイーよな!!」
ストラは分かりやすく瞳を輝かせて、握りこぶしを作って語った。
《孤独嫌い》が格好良いかは知らないが、そう言ってもらって悪い気はしなかった。
「螢歌君の名前もなかなかだと思いますが」
extra《エキストラ》。余分なもの、特別なもの。極上品という意味もある。
すべてが良い意味とは言えないが、それはモンだって同じことだった。
「別に、自分の名前だって気に入ってるよ。
音源主がつけてくれただけでもありがたいしね」
うんうん、と頷くストラは、けれど納得しているようには見えなかった。
「ならばいいじゃありませんか」
「けど、ストラってなる前は仮だったし、名字は後から案が出されたヤツで、浸透してねーしさ~」
どうやら多少不満はあったらしい。
仮称とら、螢歌が蛍歌と間違われやすいことを言っているのだろう。
言っても仕方のないことと分かっていても、納得させることはできなくて。
ためていたものが、ぽろりとふとした瞬間こぼれる。
「今の螢歌君になるまでの過程だったと思えばいいのでは?」
教え諭すように、穏やかな声でモンは言う。
“螢歌ストラ”が誕生するまでに、他の皆より少し多くの行程が必要だっただけ。
名字だって時間が経てば自然と覚えられていくはずだ。
「……そっかな。
なら、良いんだけど」
子どものような文句を言ってしまったのが恥ずかしいのか、ストラはうつむいて短い髪をいじる。
素直な感情表現が尊く思え、モンは瞳を細めた。
設定年齢が高くなるほど、己に正直に過ごすのが難しくなる。
時を重ねたわけでもないのに、自制心ばかり強くなって。
だからこそ、ストラのような性格が好ましく、少し眩しい。
「そういやモンさんは、名字でみんなのこと呼ぶよな。
オレの名字、音源主が採用する前だったらどーしてたんだか」
名前つながりの質問をストラは口にする。
疑問に感じたことを、訊かずにはいられなかったのだろう。
まっすぐさに一姫と通じるものがあるようで、仲が良いのも頷けた。
「名前で呼ぶことを避けているわけではありませんよ」
「そーなの?」
考えながら答えれば、こてん、とかしげられる首。
「ええ。ただ、私のキャラ的にはこちらの方がいいだろうと」
ストラに元気になってもらおうと、モンは一計を案じる。
感情豊かなストラならきっと乗ってくれるはずだ。
「モンさん笑かす~!
そんな理由で決めっかよ、フツー!」
ストラは噴き出し、大声で笑う。
気持ちいいくらいの笑い声に、モンは微笑んだ。
「残念ながら私は世間一般的な普通には当てはまらないようですので」
「世間一般的じゃないフツーってどんなんだよ!」
笑いながらでもつっこむことは忘れないようだ。
「螢歌君のツッコミは今日も冴えていますね。
私も安心してボケられます」
ニッコリとして言うと、さらに笑い声は大きくなり。
「ボケるのに安心も何もね~!」
痛くなってきたらしい腹を抱えながらも、ストラは条件反射のようにつっこむ。
漫才のようなテンポの良いやり取りだ。
「どうやら螢歌君は笑いのツボが多いようですね」
笑い続けるストラのおかげで、こちらまで愉快な気持ちになってきた。
楽しさというのは空気感染するものなのだろう。
「モンさんに笑わせる才能があんだよ」
「それは褒められていると取ってかまわないのでしょうか?」
答えは分かりきっていたけれど、ストラの口から聞きたくてわざと尋ねる。
「もっちろん!
楽しーのは大歓迎♪」
極上の笑顔で言われて、モンは作戦が成功したことを知った。
この子がいつも笑っていられればいい。
悩みも不安もどこかへ追いやってしまって。
笑顔がくもることなく、暮らしていけるように。
友として、仲間として、そう願わずにはいられなかった。
「光栄ですね」
自然と、言葉が口をつく。
いつもは見せないような優しい優しい笑みをたたえていたことに、モンは気づかなかった。
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