VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
≪ うっひゃあ…… | | HOME | | Now the unknown future ≫ |
Happy Birthday
ユズ誕生日おめでとー!!!
大好きだよユズ! ずっと大好きでいるよ!!
というわけで誕生日小話。ユズコトです。ちょっと甘めのほのぼのかもしれない。
「知ってる。カレンダーに書いてあるし」
皆の配布された日はモモがカレンダーにマークをつけていた。
誕生日パーティーの準備もあるから、知らないでいることなんてできるはずがないのだ。
「コトは祝ってくれないんですか?」
ユズはつまらなそうな顔をする。ふてくされた子どものようだ。
「パーティーで祝うでしょ」
「参加はしてくれるんですね」
ニコニコ。気味が悪い笑顔だ。
コトをいじめるときの表情に見えて仕方がない。それとも誕生日だから機嫌が良いだけ?
「……そりゃ、ルナさんやユフさんの誕生日パーティでもあるし」
この時期から少しずつ誕生日が重なってくる。誕生日が近い人はまとめて祝ってしまおうということになっていた。
パーティーは自由参加。そうしないとリビングが人でいっぱいになってしまうから。
ルナとはかなり仲が良かったし、祝ってね! とも言われていた。
「ぼくのことは、祝ってくれないんですか?」
「祝ってほしいの?」
問いに問いで返す。不思議だったから。
ユズだって仲の良い人の一人や二人はいるだろう。その人たちに祝ってもらえばいい。
わざわざ会えば喧嘩ばかりしているコトに祝ってもらう必要なんて、ないはずだ。
「はい」
ユズははっきりと肯定する。
「なんで?」
コトはさらに問う。
本当に、どうしてだかが分からなくて。
「コトに祝ってもらいたいんです」
「理由になってない」
「ぼく的には正当な理由です」
「意味分かんない」
コトはばっさりと切り捨てる。
ユズの答えは答えになっていなかった。
祝ってほしい理由を聞いているのに、祝ってほしいから、なんて、バカにしている。
言葉が通じない。ユズに対しては何度も思うけれど、今日は特にひどい。
「……この分だと、プレゼントももらえないのかな?」
ふっ、とユズは微笑む。
パーティーと同じで、プレゼントも贈りたい人だけが用意する。
ウタが集めて、全部一緒にして贈るようになっていた。
「子どもっぽいって、思わないでよ」
ユズの笑みが寂しそうに見えて、コトは言うつもりのなかったことを口走っていた。
「え?」
「あんたの好みなんか知らないから、鳥のぬいぐるみ!
子どもっぽいなんて言わせないからね!」
ソラに憧れていると知っていたから、彼に贈った物と色違いにした。
そんな気を回している自分がアホらしくて。
贈る必要なんてないのに、用意した自分が変に思えて。
コトは顔を合わせられなかった。
「くれるん、ですか?」
ユズが呆然としたような声を出す。
本当に意外、といった様子だ。
「用意しちゃったんだからしょうがないでしょ!」
コトは八つ当たり気味に怒鳴った。
ルナやユフに用意するのに、ユズにあげないのは何だか可哀想だと思ったから。それだけだ。
それ以外に誕生日プレゼントを用意した理由なんて……ない。
「……参りました。ぼくの負けです」
ユズは片手で口元を覆って、もう片方の手で降参のポーズをした。
視線はなぜか泳いでいる。顔が赤いように見えるのは気のせいだろうか?
「何よそれ?」
意味が分からない。何が参ったというのか。
勝負なんてしていた覚えはない。
「嬉しいってことです。
コトがぼくの誕生日を祝ってくれるのが」
手を外して、ユズはにっこりと笑う。
それはいつもコトをいじめるときの意地の悪い笑みではなくて。
とても嬉しそうな、綺麗な笑顔で。
「別に、ついでだもん」
居心地が悪くて、コトは憎まれ口を叩いた。
「ついででも、嬉しいです」
ユズのやわらかな表情がコトの心まで解かす。
本当に、どうかしている。
プレゼントを、用意して良かったと思うなんて。
誕生日を、祝ってあげたいと思うなんて。
「…………誕生日、おめでとっ!」
それだけ言って、ぷいっと顔を背けた。
笑い声が聞こえてきたけれど、気づかないふりをして、コトはクッションを抱きしめた。
誕生日は、きっと祝う側にとっても特別な日で。
おめでとう。と心を込めて言えば。
優しくなれるような、そんな魔法が、誕生日にはかかっているのだろう。
≪ うっひゃあ…… | | HOME | | Now the unknown future ≫ |