VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです
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Hair and impression
中の人たちのOKをもらったのに舞い上がってUTAU創作にせいが出ます。うんごく緊張したー。
轟栄一と雪歌ユフ。カップリング未満のような話。
拍手のレスを別個にしてみました。
リビングで、栄一はVOCALOIDの曲を聴いていた。
その場にいるのは弟の栄二と、所在なげに座っているユフだけ。
いつもはもう少し人がいるものなのに、と不思議に思う。
テトとテッド、ソラとマコとモモは、マスターに呼ばれてここにはいない。
他の面々も、それぞれの部屋だとかリラクゼーション区域だとかにいるようだ。
「兄ちゃんつまんないー」
栄二が首に巻きついてじゃれついてくる。
「時間なんていくらでもつぶせるだろう」
放せ、というようにその腕を叩く。
マスターはたくさんのUTAUをダウンロードしている。
数が増えれば増えるほど、一人が歌わせてもらえる確立も減るわけで。
結果、暇をもてあましてしまうUTAUばかりとなる。
それでも自分たちは幸せな方だと思う。
ダウンロードされたまま放置、というのも珍しくはないと聞くし。
どうしたってカバーが多くなるが、たまにオリジナル曲も作ってくれるのだから、至れり尽くせりだ。
「兄ちゃんはそうかもしんないけどさー」
「お前はこらえ性がなさすぎるんだ」
むうっと頬をふくらませる栄二に、お前は子どもかと言ってやりたくなる。
実際にはUTAUに子どもも大人もないのだけれど。
設定年齢がある者もいるが、必ずしも外見や精神年齢と一致するわけではないし。
ああ、人気のテトなんかは幼児化するパッチがあったか。
「ねーねー、ユフちゃんって髪下ろしたらどんくらい長いの?」
遊んでくれない栄一に飽きたのか、今度はユフに興味を向けたようだ。
「え……?」
いきなり話しかけられたユフの方は、困惑したような声をもらす。
当然といえば当然か。彼女は皆が騒いでいても積極的に加わろうとはしないのだから。
外から困ったような顔をして、見ているだけ。
それがここでのユフの立ち位置だった。
「三つ編みしてても長いじゃん?
下ろしたら、地面についたりしないかなぁ」
空気を読まないことに長けている栄二は、ユフの座っているソファーの後ろに回った。
長い三つ編みを手にし、やっぱなげー、などと呟く。
「さ、さすがにそこまでは……」
びくびくと怯えたように体を縮こまらせて、どもりながら答える。
その様子は、見ていて何だか可哀想になってくる。
「そなの? ためしに下ろしてみない?」
「でも……髪の毛、広がっちゃいますし……」
面白そうに栄二は言うが、ユフは控えめに断ろうとする。
「栄二、ユフが困ってるだろう。
その辺にしておけ」
大人しいユフだと押し切られてしまいそうだと思い、助け舟を出した。
強引なところのある栄二だから、了承しなくてもリボンをほどいてしまいそうだ。
「え~、兄ちゃんも見たくない?」
栄二はあきらめが悪い。
「迷惑をかけてまで見たいとは思わない」
確かに少しは見てみたいような気もするが、嫌だと言うなら強要はしたくない。
ユフの困り顔をこれ以上見たくはなかった。
もっとも、ユフが困った顔以外の表情をしていることの方が少ないのだが。
「マジで? オレちょー気になるんだけどなぁ」
「栄二」
強めの声で名を呼ぶ。
苛立ちが伝わったのか、栄二は肩をすくめる。
「あ、あの、わたしもう行きますね……」
自分が話題の中心にいることに、いづらくなったのだろう。ユフはそう言って立ち上がった。
「えっ、ちょっと待っ」
「きゃっ……!?」
栄二が握っていた三つ編みを軽く引き、ユフがつんのめる。
ちょうど結っていたリボンが引っ張られることになり、ほどけてしまう。
ふわり、髪が舞う音がした気がした。
粉雪のような白銀の髪が、すとんとユフの背に納まる。
「あ……っと、ご、ごめん」
しばし目を丸くしていた栄二が、我に返ったように謝る。
「いえ……」
ユフはなぜか泣きそうな顔をしていた。
髪を垂らしているのを見られたくなかったような、そんな雰囲気だ。
「猫っ毛だから、三つ編みしておかないと大変なんです」
髪を左右の手で握りこみ、抱きかかえるようにしてうつむく。
だから嫌だったのに、と鼻をすする音がする。
本格的に半泣き状態だ。
「確かに、それだと絡まりやすそうだな」
くるくると奔放に輪を描く長い髪を眺め、同意した。
「はい……」
さらに視線は下へ下へと下がっていってしまっている。
気分が急降下しているようだ。
こういう時、どうすればいいのだろう。
面倒見の良いマコや、人当たりの良いソラなら、慰めの言葉の一つでもかけるのかもしれないが、栄一には対処法が分からない。
「でも、下ろしてた方が可愛いんだな。驚いた」
「え!?」
素直な感想を口にすると、驚いたようにぱっとユフが顔を上げる。
その勢いに栄一の方が面食らってしまう。
「あ、いや、いつも可愛いとは思うけど。
って、何を言ってるんだ、俺は」
遅れて、自分がとても恥ずかしいことを言ってしまったのだと気づく。
嘘でも冗談でもないけれど、ガラでもない。
こんなこと、テトにでも知れたら、からかい倒されてしまう。
「にーちゃんがユフちゃん口説いてる~」
にやにやと意地の悪い笑みを栄二は浮かべている。
「栄二っ! 元はと言えばお前が!」
「はいはい、だからごめんって。
でもか~わいいユフちゃん見れてよかったじゃん? ね?」
「反省の色が見えない!」
照れもあって、沸点がいくらか低くなってしまっているらしい。
栄一は楽しそうに笑っている弟を叱りつける。
だが栄二は怒れば怒るほどその笑みを深くしていた。
「あの、もういいですから……。結び直せばいいんですし……」
控えめにユフが二人の言い合いを止める。
「そうか?」
「はい。だから、お部屋に戻ります、ね」
「分かった。
俺からも謝るよ。ごめんな」
弟の失態は自分の失態でもあると思い、栄一は頭を下げた。
後でもう一度栄二を叱っておかなくては。
「いえ……嬉しかった、ですから……」
ぽつりと、何とか聞き取れるくらいの小さな声で呟く。
「え?」
「そ、それじゃ……!」
それだけを言い残し、ユフは去って行ってしまった。
嬉しかった。嬉しかった。何が? 髪がほどけたこと、ではない。可愛いと、言ったこと?
本当のことだった。実際に可愛いと思った。
ふわりふわりと、雪が舞うように、白い髪が宙を彩って。
可愛いと。可憐だと。確かに思ったのだ。
「兄ちゃん、顔、赤いよ」
栄二が自覚済みのことをわざわざ茶化す。
「うるさい」
こんな顔で怒ったところで、迫力などないだろう。
叱るのは少し後にした方がいいみたいだ、と栄一は思った。
いつもおどおどしてる子だなぁ。くらいの認識しかなかった。
自己主張の激しいUTAUの中で、影が薄く、目立たない存在。
雪歌ユフは、大人しく物静かな子で。
でも、とても可愛らしい子だったのだと、栄一は改めて認識した。
緩やかに、けれど鮮やかに。確かに胸を染め上げる色は、きっと彼女の髪の色をしている。
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相変わらず仕事が早くていらっしゃる!
私もこの執筆速度を見習いたいものです。。。
栄一→天然タラシに 激 し く 同 意 !
創作の幅が広げられるように、許可取るの頑張りまーす!
実を言うと許可を取る前に書いてあったりしたんです(笑)
だからあわててメールしたとも言いますね(^_^;)
同意してくれますか!! テッドが確信犯でソラは婉曲的とか、勝手に思ってますv
許可とりがんばってくださいませー!