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1・君はいつも笑ってる
『愛しい君と過ごす日々で50のお題』 1・君はいつも笑ってる(轟栄二×桃音モモ)
配布元:原生地
だから、今日は思いきって訊いてみよう。
「ねえ、モモちゃん」
オレはいつものように掃除しているモモちゃんに、話しかける。
やべ、声が震えたかも。
緊張してるみたいだ。カッコ悪いなぁ。
「はい?」
掃除を中断して、モモちゃんが振り返る。
あ、ごめん。とっさに謝りたくなった。
悪いことしちゃったな。彼女は掃除が好きなのに。
でも、絶対今日こそ質問するって、決めたんだ。
息を吸って、はく。
うん、今なら訊けそうだ。
「どうしていつも笑ってられるの?」
不思議で不思議でしょうがなかったこと。
同時に心配にもなった。
いつもいつも、何があっても笑ってる。
その笑顔に、ずいぶんと助けられて、支えられて、救われてきたけど。
モモちゃんは、それでいいのかな?
つらくて泣きたい時とか、イライラして怒りたい時とか、ないのかな?
オレがそういうことよくあるから、余計にそう思うんだ。
無理、してないのかなって。
「笑っていたいからですよ」
やっぱりモモちゃんは笑って、そう答える。
オレは思わず首をかしげた。
意味が分からない。
笑いたいから笑うのは、誰だって一緒だ。
確かに、怒ってるときにも笑うユズくんみたいなのもいるけど。
「皆と一緒にいて、毎日が楽しいです。
だから、自然と笑顔になれるんですよ」
モモちゃんは本当に幸せそうな笑みを浮かべる。
その表情に、その言葉に、嘘はないように思えた。
「無理とか、心配かけないためとかじゃ、なくって?」
一応、確認してみる。
「はい。嫌なことがあったら、笑ってなんていられません」
きっぱりと、言い切ってくれた。
気持ちがぱあっと晴れていくのが分かった。
オレ、すんごい気にしてたみたいだ。
「……良かったぁ」
思わず、詰めていた息をはいて、呟いた。
「栄二さんが」
モモちゃんは話を続けるようだ。
俺は顔を上げる。
「そうやって、栄二さんが気にかけてくれるのも、とても嬉しいです。
笑顔で世界征服できちゃいそうな気分です」
ふふ、と笑って、モモちゃんは言った。
何て言ったらいいのかな。花がほころぶ時みたいな、そんな笑顔。
見ていて幸せになれる、いつもと同じで、いつもよりも眩しい、そんな笑顔。
「いつも、笑っててよ」
何も考えずに、口をついて出たのはそんな言葉。
「そしたらオレも、笑顔になれるから。
モモちゃんのこと、もっと好きになるから」
ニカ、とオレも笑って告げた。
何だかこれって告白みたいだな。頭の片すみでそんなことを考える。
どうでもいいや。
モモちゃんには笑っていて欲しい。
それは、嘘なんかじゃないから。
「いつも、笑ってます」
そう言ったモモちゃんの頬が少しだけ赤かったのは、オレの気のせいなのかな。
君はいつも、どんな時でも笑ってる。
その笑顔はとても可愛くて、何より大好きで。
だから、ずっと笑っていてほしいんだ。
オレの隣で、オレに。君の笑顔をわけてほしいんだ。
比べるものがないくらい大切な、君にはさ。
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