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Insensitive
何だかふと変な設定というか関係図を思いついたので。
カイミク。だけど兄さんが色々と哀れ。KAITO一人称というか独白? めっちゃくちゃ短いです。
君がそう笑うたび、僕の鼓動は跳ねる。
偽りの心臓がうるさく音を立て初め、無いはずの血が全身を駆け巡る。
たとえ、彼女が思っているほど深い意味が込められていなくても。
「僕もミクのことが好きだよ」
決まりきった答えを言うだけが、こんなにも苦しい。
「ありがとう! でもね、違うんだよ」
甘美で残酷な言葉が、返ってくることを知っているから。
「お兄ちゃんの好きとは違うの。
私はお兄ちゃんに“恋”をしてるんだから!」
自信満々な、自分の想いを欠片も疑っていない声が胸に突き刺さる。
鋭利な見えない刃が、確実に僕の心を貫いた。
「……そっか」
ごめんね、とミクの頭をなでる。
熱に浮かされたような、少しうるんだ瞳。
その双眸が、“KAITO”を見ていないことを、一番よく知っているのは僕自身だ。
「そうだよ」
頬をふくらませて、拗ねる君。
今持っている感情の名前は“恋”ではないのだと、告げたらどんな反応をするのだろう。
君に触れたいと、抱きしめたいと、そう思っていると告げたらどんな顔をするのだろう。
ミク、大好きだよ。
誰よりも君を大切に思っている。
誰よりも君を見ているから、誰よりも君を知っているよ。
君の想いが、仮初めのものであることを。
ただ恋に憧れているだけだということを。
恋愛は、楽しいだけではないんだ。
そのことにミクが気づくことは……あるのかな?
「いつか、気づいてね!」
いつか、気づいてくれたらいいのに。
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