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Insensitive 2
さすがに兄さんが哀れだったので、とりあえず救済処置。
前回の続き。今度はミク一人称。やっぱりうんごく短いです。
いつものように駆け寄って、いつものように手をつないで。
なのに今日はいつもと違う問いをお兄ちゃんにした。
「……どうかしたの? いきなりそんなことを訊くなんて」
お兄ちゃんは一瞬だけ目を見開いて、すぐ穏やかな表情に戻る。
首をかしげて不思議そうにしているけど、私だって自分が不思議でしょうがない。
心がもやもやしてる。情報処理速度は変わらないのに、何かがつかえている気がして。
本当に、どうしちゃったんだろう?
「ん、ちょっとね」
よく分からないけど理由を話したくなくて、私は言葉を濁した。
お姉ちゃんが、お兄ちゃんのこと好きだって言ってたの。
兄弟としてじゃなくて? って訊いたら、それはアンタの方でしょう。って。
あれはどういう意味だったんだろう?
私はちゃんとお兄ちゃんに“恋”をしてるのに。
「ミクが言うんだから、そうなんだろう?」
落ち着いたお兄ちゃんの声。優しいお兄ちゃんの笑顔。
やっぱり、大好きだなぁ。
心がふわふわする。もやもやなんてどこかに飛んでいっちゃったみたい。
幸せってこういうことを言うんだと思う。
好きな人がいるって、とっても素敵なことなんだね。
「そっか、そうだよね!!
うん! お兄ちゃんだぁい好き♪」
何度も何度も繰り返す言葉。
いつも同じじゃ能がないかなって思うけど、これが一番ピッタリだから。
「――僕も」
答えもいつもと同じで……
「僕もミクのことが大好きだよ」
とくん、と。
初めて聞く音が耳の奥で鳴り響いた気がした。
いつもと同じ答えだったのに。
そのたび『お兄ちゃんの好きと私の好きは違うの』と返していたのに。
なんで? どうして?
胸が痛い。うるさいくらいにドキドキ言ってる。
お兄ちゃんの顔が真っ直ぐ見れないよ。
私、どうしちゃったんだろ?
おかしいよ。こんなの、私じゃないっ!
「ミク!?」
急に泣きたくなってきて、泣き顔をお兄ちゃんに見られたくなくって、私は駆け出す。
振り返ることなんて……できるはずなかった。
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