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しあわせの音

VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです

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Shine and Shadow

 UTAUの特性上、創作でも取り扱うキャラがどんどん増えていきますね。
 書いてるほうは楽しいですが、読んでる人は大変……?
 今回出てくるモノ君は、天音ルナのジェンダー換えキャラ。ルナの弟という設定があります。
 そんなモノとルナのお話。&でも×でも→でもあり。若干暗めです。






 彼女が輝けるよう、自分はいつでも影でいよう。
 光の裏には闇があるように。
 彼女と自分は表裏一体なのだから。



Shine and Shadow




「モ~ノ♪」
 声と共に、背中に軽い衝撃と圧迫感。
 モノは本から意識を戻す。
「ルナ姉」
 分かりきった犯人の名を呼ぶ。
 不機嫌に聞こえるが、怒っているわけではなく、これが少年のデフォルトだ。
「これからマコと歌いに行ってくる~」
 そのことを姉のルナも知っているから、気にせずに話し出す。
「ん、そうなんだ」
 モノは適当に相づちを打つ。
 マコとは特に仲良しで、よく一緒に歌ったり遊びに行ったりしていた。
 会員制動画投稿サイトなどでは『天和』というユニット名まで定着している。
 モノも“天音”だけれど、ジェンダー換え音源なんてそんなものだ。
 別にマコと組みたいわけでもないから、どうでもいい。

「モノは練習しないの?」
 後ろから横に移動したルナは、モノが今まで読んでいた本を見る。
 楽譜や歌関係の本ではなく、娯楽用のもの。
「ボクはいいよ」
 声が存外に冷たく響いて、自分で驚いた。
 ルナがいぶかしげに眉をひそめる。
「今は、そんな気分じゃないだけ」
 取りつくろうようにモノは言った。
 歌の練習をしたからといって、うまくなるはずがない。
 UTAUは普通のソフトで、調声された通りに歌う。
 人格付加プログラムを適応された者たちが練習と言ってよく歌うのは、ただ単に歌が好きだから。
 それに比べ、モノは自発的に歌おうとは思っていなかった。
「ならいいけど」
 声音から察するに、完全に納得はしていないようだ。
 まだ何か言いたそうにしている。
「何か、嫌なこととかあったら言ってね。
 お姉ちゃん、力になるから!」
 なら他の誰の元にも行かないで。他の誰とも話さないで、歌わないで。
 喉まで出かけた言葉を何とか呑み込む。
 そんなこと、望んではいけない。
 自分は彼女の影なのだから。
「心配しなくても大丈夫」
 モノは何でもない風を装う。
 嘘をついているわけではない。本当に大丈夫だ。
 ルナがいてくれさえいれば、自分は大丈夫。

「モノはすぐ我慢しちゃうから、心配にもなるよ」

 まっすぐ向けられる瞳から、言葉に嘘はないのだと分かる。
 何もかも見透かされてしまいそうな、澄んだ青い青い天空の色。
「ルナ姉ってブラコンだっけ?」
 動揺を悟られたくなくて、モノは茶化す。
 ルナが頬をむくれさせたのを見て、ごまかしが成功したのを知る。
「そーですよ~、ブラコンですよ~。
 弟が一人で悩んでたりしないか心配なんですよ~」
「ありがと」
 モノは苦笑混じりに礼を言う。
 その気持ちを素直に受け取れないほど、自分はねじ曲がってしまっているけれど。
 姉には知られたくない。知らないままでいてほしい。
 こんな、子どもじみていて、醜い感情なんて。
「ホントに何もないなら、いいの」
 心配そうな表情。無垢な心を移した、天空を臨む双眸。
 ありのままのルナで。
 綺麗なままの彼女で、いてほしい。

「平気だって。
 それより歌いに行くんじゃなかったの?」
 モノは不自然にならないよう話題を変える。
 ルナの顔から血の気が引いていく。
「やっば!! マコに叱られる~!」
 思い出したようにルナは騒がしくなった。
 そのあわて様は滑稽なほどで、けれど可愛らしくも映る。
「行ってきまーす!
 良い子にしてるんだよ!」
 子どもに言い聞かせるような口調に、モノは失笑した。
 良い子も悪い子も、ない。
 ルナがいないときの自分は、身動き一つしない、ただの物体でしかないから。
 動く気力がなければ、データは所詮データで。
 原動力のなくなったモノは壊れたロボットのようになってしまう。
 そんなこと、彼女が知る必要はないけれど。
「はいはい、行ってらっしゃい」
 少年は微笑んで、ルナを見送った。

  自分はルナの影だ。本人がいなければ存在すらも危うい。
  表に出るつもりなんて、始めからなかった。
  ルナの傍にいることが重要で、ルナ以外はどうでもよくて。
  彼女が笑ってさえいれば、モノも幸せになれるのだから。



 彼女が輝けるよう、自分はいつでも影でいよう。
 光の裏には闇があるように。
 彼女と自分は表裏一体なのだから。

 影は時に輝きをも呑み込んでしまうものだけれど。
 その瞬間を迎えるまで、自分は本心を隠して日々をやり過ごすのだろう。





 書きたかった話が書けて満足なような、うまく書ききれなくて不満なような。
 テーマがごっちゃになって分かりにくいというか微妙な感じです。
 ようするに、モノはルナの裏側だからルナの邪魔になったり束縛したりしないようにって思ってて、でもいつか想いが爆発しちゃうだろうって分かってる。そんなんかな。
 その前にルナか他の誰かが気持ちをほどいてあげれればいいのですが……。
 というかこれってヤンデレ目指せてる、のか?
 ちなみに圧迫感ってのは、やっぱり、ですよね!
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comment

無題

  • あいそら。 
  • 2009/03/16(月) 23:02
  • edit

天音組きた!これで勝つる!(あれ
モノくんは爆発したら一気にやんでくれると思うんでいいので、はっ。
あう、ちょっとおはなし修行してきます・・・orz

ところで冒頭の方でルナがちょっと誤字ってますよ~

来ましたよ!!

  • 樹神 〔管理人〕
  • 2009/03/17(火) 00:04

 これで勝つる、って元ネタなんでしたっけ?(無知)
 爆発したら確かに思いきりヤンデレしてくれそうですよね! そうなる前にどうにかなれば……ああ、自分がそれを書けば良いのか(笑)
 おはなし修行イイですね! 私もご一緒します♪

 誤字指摘ありがとうございます! ひ~恥ずかしいっ!!

ホワァ!!

  • 三日月(みこぜ) URL
  • 2009/03/16(月) 23:20
  • edit

ついに樹神さんのモノキター!(AA略)

きっとヤンデレになるちょっと手前なんですよ…!と呟いてみたりw
最悪の結末はどうだとかいろいろ妄想しちゃったりしてます。自分の息子なのに妄想とかw
爆発する前に誰か止めてくれると良いですね(他人事ww

ちなみにモノを止められるのは彼を理解してくれる人物ではないか、とだけ妄想を置いておきますねw

毎回みこぜさんの奇声が楽しみでなりません(笑)

  • 樹神 〔管理人〕
  • 2009/03/17(火) 00:12

 ちょっ、AA略って……!(爆笑)

 手前ですよね、これは明らかに。だんだん病んでいくんですかねぇw
 最悪の結末はあれですたぶん、姉もろとも強制デリート!
 「これでもうルナ姉もどこにも行かないね」とか言っちゃうんですよ!

 実は爆発する前に止めてくれる人候補がいるのですよ~。
 そのお話も書きたいので、名前は言わないでおきますwヒントはg換えキャラv
 そうですね、まず理解してくれないと意味ないですからね! 妄想ご馳走様です(^^)

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