VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです
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Meeting
マスメイ未満の、マスターとMEIKOの出会い。
めちゃくちゃ短いです。SSSです。
正常に起動が完了。同時に己を認識する。
【CRV1-MEIKO】
人間で言うところの瞳を開く。
目の前には、成人したかしていないかくらいの男性。
この人がマスターだ。と視覚情報から知る。
どうやら自分は実体を伴うタイプのようだった。電子の世界よりも鈍い五感で判断する。
「MEIKOだな」
人にしては抑揚の少ない低音が確認する。
「はい、マスター」
返事をすると、銀製フレームの奥の双眸が僅かに見開かれた。
日本では初のVOCALOIDなのだから、当然の反応か。
「すごいな。驚いた」
それほど感情の起伏を読み取れない声で、言う。
それでも人と触れ合うことで成長していくプログラムは、“衝撃”と“感動”を感知した。
「ああ、無愛想なのは元からだから、気にしないでくれ」
ただのソフトウェアであるMEIKOに、そんな心配りはいらないのに。
人に接する態度と違いが見出せなかった。
「よろしく」
あくまで紳士的に、けれど笑いもしないで彼は言った。
出された手に首をかしげ、人とのコミュニケーション事項を検索する。
手に関してヒットした“握手”だと仮定したMEIKOは、その手を軽く握った。
「よろしくお願いします」
まだ調教されてはいない声は、聞き取りづらいものになる。
そのため使われやすい定型句は登録されていた。これもその一つだ。
想定されていた挨拶。
にも関わらず、男は初めて嬉しそうな顔をした。
不思議な人だと、思った。
もっと知りたいと、歌とは関係ないことなのに、思った。
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