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しあわせの音

VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです

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Set

 にゃぽで↓のサラのイラストにつけてたおまけのSS。
 即興なので短いです。ソラサラ未満。






Set




「ねえソラ~」
 サラが自分を呼ぶ声がする。
 背中を合わせているので、振り返れない。
「何ですか、姉さん」
 どうせまたろくなことではないと思いながらも、ソラは返事をする。
 相手にしなければ余計に悪化すると知っているから。

「あたしっていっつもソラとセットだよね」
 なぜか分からないが怒っているらしい。
「それは、僕の方が先に公開されましたから」
 姉と弟だけれど、配布された時期は逆だ。
 同じ音源主であればセット扱いを受けるのは当然のこと。
 何を今さら、と思う。
「でもお姉ちゃんなのに。ひどくない?
 ソラ人気者だし~」
 むう、と頬をふくらませる。
 子どものような態度にソラはため息をつく。
「なにむくれてるんですか」
「ちがうよ、拗ねてるの」
「一緒ですから」
 またため息。これでは駄々っ子だ。
 どうでもいいことで、これでもかというくらい怒れるのが、サラの不思議なところだ。
 どう解決したらいいものか。
 そうソラが思案していると、今度はサラがため息をつく。

「少なくとも、あたしがソラのお姉ちゃんなんだから! って胸をはれるくらいには自信持ちたいなぁ」
 気落ちしたように、呟く。
 浮き沈みの激しさもサラの特徴だったことを思い出す。
 不安を不満に代えて、語っていたのか。
 それなら、今は自信がないのか。
 どうして?
 サラはサラのままで、充分なのに。
「今でも姉さんは姉さんでしょう。
 胸をはっていたっていいじゃないですか」
 サラは生まれたときから、ソラの姉だ。
 順番がおかしくたって関係ない。音源の扱いにくさも関係ない。
 不安なんて、感じなくていい。

「……ふふふ」
 サラが嬉しそうな声をもらした。
 顔は見えないが、どんな表情をしているのかは手に取るように分かる。
 きっととろけるような笑みを浮かべているのだ。 

「ソラのそういうとこ、大好き♪」

 明るく跳ねるような声。
 いつもの元気を取り戻したサラは、そう言ってソラの首に飛びついた。
「はいはい」
 その腕をぽんぽんと軽く叩きながら、ソラも笑みをこぼす。



 結局、姉には敵わない。
 何度も思ったことを今日も繰り返しながら、日常は過ぎていく。





ピクシブにて、サラ単体のイラストがなかったもので。
仲良し姉弟万歳! なのですが、本人的にはどうだろう、と。
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