VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです
[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
≪ Your name, My special | | HOME | | lemon ice ≫ |
Do you love me?
地味にきり番を始めてました。忍者カウンターって設定できるらしく。
きり番リクエスト「リンレンでラブいちゃ」。ラブいちゃって……どんなんでしたっけ?
こんなんであってればいいんですが。リクエストありがとうございました!
ということで、リンレン。甘々、だと信じてる。BGMは『リンリンシグナル』で。
油断していたレンは、前のめりに体勢をくずす。
爆弾を落とされるなんて思ってもみなかった。
「はあぁ!!? おまっ、な、何言ってんだよっ!?」
何とかバランスを保って、後ろを振り返る。
レンの首から手を離したリンは、手を床につけてじりじりと寄ってくる。
何というか、上目遣いは卑怯だと思う。
「好・き・だ・よ・ね?」
有無を言わさぬ力強い口調。
少年はその迫力に押され気味に頷く。
「……まあ、嫌いじゃないな」
小さくそう呟くが、
「嫌いじゃない?」
納得がいかないとばかりに、リンは眉をひそめる。
何なんだお前は、いきなり。
そう訊いていい気配でもない。
「はっきりしないなぁ、レンは!
好きなら好きって、ちゃんと言う!!」
お前に恥じらいはないのか! と叫びたくなった。
素直ではなくても、簡単には言えないことだってある。
レンは何だか泣きたい気分だ。
「ああもう、好きだよ好き! リンのことが好きだ!
これでいいだろ!」
もうヤケになって、怒鳴りつけるように言ってやった。
「あ……うん」
急に威勢の良かったはずのリンが静まる。
その顔はどこか赤い。
「えっへへ、くふふ、へへへへへ」
「何だよ、その笑い声」
変な声を出すリンを、半眼で見る。
人に恥ずかしい台詞を言わせておいて、何を笑っているんだ。
そう思ったが、口にはしない。
「レンレン~」
少年を呼びながらリンが張りついてくる。
癖のある髪が首元にかかって、くすぐったい。
「リンもレンのこと、だ~い好きだよ♪」
邪気のない笑顔でそんなことを言うものだから。
レンも押し黙るしかなくて。
それでも顔に熱が集まっていくのはどうしようもなくて。
見られないようにと、顔を背けた。
――人の気も知らないで。
深い意味なんてなく、リンは簡単にそう言うから。
動揺は隠せない。翻弄させられてしまう。
「レンがリンのこと好きなのより、もっとたっくさんリンの方が好きなんだよ!」
ふふん、と自信満々にリンが語る。
それがレンの負けん気に火をつけた。
「んなの分かるかよ」
「分かるよ! リンはレンがいっち番なんだから!!」
言い返すと、間髪なくリンも返してきて。
余計にレンはむっとする。
「……オレだって」
恥ずかしいけれど。
いつもは言葉になんてしないけれど。
今、ここで言わないと負けたような気になる。
レンは、覚悟を決めた。
「オレだって、リンのことが一番に決まってるだろ」
彼の言葉にリンはたじろぐ。
視線を泳がせ、あ~、とかう~、とか訳の分からない声を発し。
それから握りこぶしを作って、レンに立ち向かう。
「でもリンには敵わないよ!」
どこにそんな自信があるのか、リンは一歩も引かない。
「オレが負けるわけない」
レンだって、リンのことが大切だという面では負ける気がしない。
リンしか見ていない。リンのことしか考えていない。リンの声しか聴いていない。
何よりも大切で、何にも換えがたい、自分の半身。
少年にとって、リンがすべてだ。
これより強い想いなんて、きっとどこにもない。
「じゃあ勝負する?
相手に先に十通りの言い方で好きって言った方が勝ち!」
リンは思いついたように、そんなことを提案した。
それにレンは目を丸くする。
「はあ? そ、そんなの簡単に言えっかよ!」
顔を赤らめながらも、抗議した。
さっき言わされたばかりなのに。とレンはむくれる。
好きだとか、そういうのは思っていても中々言えないものだ。
リンはすぐに言葉にするけれど。
それはきっと深く考えていないからなのだろう。
「ならレンの負け~。
どっちにしろリンが勝つけどね!」
勝ち誇った笑みをリンは浮かべ、レンを挑発する。
負けたくないレンは、単純にもそれに乗ってしまう。
「受けて立つ!」
こうして二人の不毛な勝負が始まった。
「……ねえ、お兄ちゃん」
一部始終を見ていたミクは、ふいにKAITOを呼ぶ。
この状況で声をかけられても困るのだけれど。
「ミク、何も言わない方がいいと思う」
「もう二人とも二十回以上言ってる気がするんだけど」
KAITOは止めたが、ミクは首をかしげて口にしてしまう。
そう、『好き』だとか『大切』だとか『一番』だとか、バリエーション豊かに、二人は言葉を並べていた。
十を軽く越すくらいには。
「お互いが気づいてないんだから、放っておいてあげようよ」
リンもレンも、二人して負けず嫌いなのだから始末に終えない。
「バカップルって、ああいうのを言うの?」
「うん、きっとそうだろうね」
何でも知りたがるミクに尋ねられ、KAITOは頷く。
そしてあきらめたように、ため息を一つついた。
そんな会話が外野でされていたとも知らず。
二人は恥じらいもかなぐり捨て、『好き』と言い合うのだった。
≪ Your name, My special | | HOME | | lemon ice ≫ |