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しあわせの音

VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです

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Do you love me?

 地味にきり番を始めてました。忍者カウンターって設定できるらしく。
 きり番リクエスト「リンレンでラブいちゃ」。ラブいちゃって……どんなんでしたっけ?
 こんなんであってればいいんですが。リクエストありがとうございました!
 ということで、リンレン。甘々、だと信じてる。BGMは『リンリンシグナル』で。






「ね~、レン」
 リンの声が後ろから聞こえる。
 首に抱きつかれているのだ。
「何だよ」
 そっけなくレンは答える。
 大体、レンはこんな調子だ。リンも文句は言わない。

「レンはリンのこと、好きだよね?」



Do you love me ?




 油断していたレンは、前のめりに体勢をくずす。
 爆弾を落とされるなんて思ってもみなかった。
「はあぁ!!? おまっ、な、何言ってんだよっ!?」
 何とかバランスを保って、後ろを振り返る。
 レンの首から手を離したリンは、手を床につけてじりじりと寄ってくる。
 何というか、上目遣いは卑怯だと思う。
「好・き・だ・よ・ね?」
 有無を言わさぬ力強い口調。
 少年はその迫力に押され気味に頷く。
「……まあ、嫌いじゃないな」
 小さくそう呟くが、
「嫌いじゃない?」
 納得がいかないとばかりに、リンは眉をひそめる。
 何なんだお前は、いきなり。
 そう訊いていい気配でもない。
「はっきりしないなぁ、レンは!
 好きなら好きって、ちゃんと言う!!」
 お前に恥じらいはないのか! と叫びたくなった。
 素直ではなくても、簡単には言えないことだってある。
 レンは何だか泣きたい気分だ。

「ああもう、好きだよ好き! リンのことが好きだ!
 これでいいだろ!」
 もうヤケになって、怒鳴りつけるように言ってやった。
「あ……うん」
 急に威勢の良かったはずのリンが静まる。
 その顔はどこか赤い。
「えっへへ、くふふ、へへへへへ」
「何だよ、その笑い声」
 変な声を出すリンを、半眼で見る。
 人に恥ずかしい台詞を言わせておいて、何を笑っているんだ。
 そう思ったが、口にはしない。
「レンレン~」
 少年を呼びながらリンが張りついてくる。
 癖のある髪が首元にかかって、くすぐったい。

「リンもレンのこと、だ~い好きだよ♪」
 邪気のない笑顔でそんなことを言うものだから。
 レンも押し黙るしかなくて。
 それでも顔に熱が集まっていくのはどうしようもなくて。
 見られないようにと、顔を背けた。
 ――人の気も知らないで。
 深い意味なんてなく、リンは簡単にそう言うから。
 動揺は隠せない。翻弄させられてしまう。
「レンがリンのこと好きなのより、もっとたっくさんリンの方が好きなんだよ!」
 ふふん、と自信満々にリンが語る。
 それがレンの負けん気に火をつけた。
「んなの分かるかよ」
「分かるよ! リンはレンがいっち番なんだから!!」
 言い返すと、間髪なくリンも返してきて。
 余計にレンはむっとする。
「……オレだって」
 恥ずかしいけれど。
 いつもは言葉になんてしないけれど。
 今、ここで言わないと負けたような気になる。
 レンは、覚悟を決めた。

「オレだって、リンのことが一番に決まってるだろ」

 彼の言葉にリンはたじろぐ。
 視線を泳がせ、あ~、とかう~、とか訳の分からない声を発し。
 それから握りこぶしを作って、レンに立ち向かう。
「でもリンには敵わないよ!」
 どこにそんな自信があるのか、リンは一歩も引かない。
「オレが負けるわけない」
 レンだって、リンのことが大切だという面では負ける気がしない。
 リンしか見ていない。リンのことしか考えていない。リンの声しか聴いていない。
 何よりも大切で、何にも換えがたい、自分の半身。
 少年にとって、リンがすべてだ。
 これより強い想いなんて、きっとどこにもない。

「じゃあ勝負する?
 相手に先に十通りの言い方で好きって言った方が勝ち!」
 リンは思いついたように、そんなことを提案した。
 それにレンは目を丸くする。
「はあ? そ、そんなの簡単に言えっかよ!」
 顔を赤らめながらも、抗議した。
 さっき言わされたばかりなのに。とレンはむくれる。
 好きだとか、そういうのは思っていても中々言えないものだ。
 リンはすぐに言葉にするけれど。
 それはきっと深く考えていないからなのだろう。
「ならレンの負け~。
 どっちにしろリンが勝つけどね!」
 勝ち誇った笑みをリンは浮かべ、レンを挑発する。
 負けたくないレンは、単純にもそれに乗ってしまう。
「受けて立つ!」
 こうして二人の不毛な勝負が始まった。



「……ねえ、お兄ちゃん」
 一部始終を見ていたミクは、ふいにKAITOを呼ぶ。
 この状況で声をかけられても困るのだけれど。
「ミク、何も言わない方がいいと思う」
「もう二人とも二十回以上言ってる気がするんだけど」
 KAITOは止めたが、ミクは首をかしげて口にしてしまう。
 そう、『好き』だとか『大切』だとか『一番』だとか、バリエーション豊かに、二人は言葉を並べていた。
 十を軽く越すくらいには。
「お互いが気づいてないんだから、放っておいてあげようよ」
 リンもレンも、二人して負けず嫌いなのだから始末に終えない。
「バカップルって、ああいうのを言うの?」
「うん、きっとそうだろうね」
 何でも知りたがるミクに尋ねられ、KAITOは頷く。
 そしてあきらめたように、ため息を一つついた。


 そんな会話が外野でされていたとも知らず。
 二人は恥じらいもかなぐり捨て、『好き』と言い合うのだった。





 ボカロできり番もらうのは初めてなのでウキウキしながら、ちょっと苦労しながら、書かせていただきました。
 リンレンはレンの方が想いが強そうだなぁって思ってますが、リンは譲らなそうですよね。
 勝負とかし出したら、可愛いと思うんですよね。「りんの方が好きだもん!」って。
 そんなお話でした。
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comment

ゆるされるだろ・・・

  • いいよね! 
  • 2011/06/24(金) 23:34
  • edit

姉弟でこういうのはあまり見ませんが、リンレンならこういうのやってもかわいいし許されますね!

無題

  • いいよね! 
  • 2011/06/28(火) 22:23
  • edit

この話何回読んだかもうわかりません!
すごくいいです!
やっぱふたりともかわいいなぁ。

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