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しあわせの音

VOCALOID・UTAUキャラ二次創作サイトです

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Color of string

 とある方の素敵なリンレンイラストに触発され、その場でぱぱっとSSを書いてしまいました。
 ありがたいことに了承をいただいたので、かなりお久しぶりなリンレン。
 もーちょー可愛かったんだ双子。自分の文才じゃ表せるわけないくらい可愛かったんだ!
 でもせっかくなので載せちゃいます。レン出てこないけど(汗)

 カイミク前提っぽく。リンレンはカプ未満のような、そうでもないような。






《二人をつなぐ 糸は何色?》



Color of string




 マスターが新しく作った曲の出だしの詞。
 それに、リンはなぜかとても惹きつけられた。
 渡された音データと歌詞データを楽譜の形にしたものを、じーっと穴が開くほど見つめる。
 三者三様の女の子の恋の歌。
 リンとミクとMEIKOに自分らしく歌ってほしいと言っていた。
 ミクはきっと、可愛く元気に、素直な思いを歌うだろう。
 MEIKOはきっと、甘さを込めて、けれど少し不器用に歌うだろう。
 少女は……どう歌おうか、ずっと悩んでいた。

 この女の子は、何色をしていてほしいんだろうか?
 歌詞にある《あなたの色》は、どんな色をしてるんだろうか?
 たくさんの疑問が頭の中を回る。
 同じように楽譜を手に、鼻歌で音を確かめている下の姉を見やった。
 どうやら悩んでいるのは自分だけらしい。
「ミク姉は何色だと思う?」
 一人で考えこんでいるのも馬鹿らしくなって、ためしに訊いてみる。
 彼女は一度だけ首をかしげてから、あまり考えずに口を開いた。

「私はね、空みたいに綺麗な青だといいなって思ったよ」
 のほほんとした表情に、少しの恥じらいを浮かべて、ミクは笑った。
 それがミクにとっての《あなたの色》なんだろう。
 青が誰の色なのかなんて、考えなくたってすぐに分かる。
 純粋に兄として慕っているのか、一人の男性として好きなのかは、分からないけれど。
 超がつくほど鈍感な姉なら、自らの恋心に気づいていないというのもありえた。
「ふ~ん、そっかぁ」
 気のない返事をして、楽譜に視線を戻す。
 さっさと答えを見つけてしまったミクが少し恨めしくて、羨ましい。
 同じことを長い時間考えているのは疲れるのに。
 いつもは馬鹿みたいにレンと騒いで、KAITOを困らせて、MEIKOに怒られて。
 それで良かった。それが良かった。
 難しいことなんて考えなくてすむ方が、楽だった。

「お姉ちゃんは、何色なのかな。
 やっぱり赤かなぁ?」
 ミクが興味津々と言った様子で、ここにはいない上の姉の話をする。
 MEIKOのイメージカラーとも言える赤。
 想い合う男女をつなぐ糸は、普通はその色なんだそうだ。

 運命の赤い糸。
 なら、運命的でも何でもない二人をつなぐ糸の色は?
 今回の歌のテーマの一つでもあった。

――二人をつなぐ 糸は何色?
  運命なんて どこにもないけど
  それでもきっと つながっている
  絆の糸は あなたの色だね――

 ミクは空色が良いと言った。
 迷うことなく、兄を象徴する色の名を。
 リンにとっての《あなたの色》を知るには、まず《あなた》から探さないといけない。
 それが分からないから、こんなに悩んでいるんだ。
 と、やっと気づくことができた。

「ミク姉の《あなた》は、カイ兄なんだね」
「ふえぇ!!?」
 急にそんな話を振られるとは思ってもみなかったのか、ミクはかなり動揺したようだ。
 恋心か親愛から置いといても、青が示す人くらいは自覚していただろうに。
 真っ赤になる姉は、同じ女のリンから見ても可愛いと思う。
 兄が笑えばミクも笑顔になる。兄がつらそうだとミクも悲しい顔をする。
 自分は?
 そんな風に誰かのことで、あわてることができる?
 一緒に喜んだり泣いたりすることができる?

 できる。と、気づけば心の内で即答していた。
 レンのことでなら、きっとリンはもっと取り乱すだろう。
 自分の半身で、相棒で、弟で、自分自身で……かけがえのない存在で。
 糸なんかなくたって、確かな絆でつながっている。

 ――ああ、だからだ。

 ようやくリンは理解する。
 答えがなかなか見つからなかった理由を。
 レンとリンの間には、糸がある必要なんてなかったから。
 運命的でも何でもない、ずっと一緒にいる二人に。
 わざわざ見える形でつながっていなくたって、大丈夫だったから。


「リンは何色でも良いや」
 晴れ晴れとした気持ちで、明るく笑って言った。



 できたら、二人の色が良いかな? とは、思ったけれど。
 糸がなくてもつながっている。
 そんな安心感があるから、何色だって問題はなかった。
 少女と少年の間には、もっと大きく確かなつながりがあるのだから。





 何が言いたかったかと言いますと。
 『別に赤である必要なんてないよね! 何色だって良いよね!』ってことで。
 ついでにこの二人ならもっと確かなつながりってあるよなぁと。同じソフトに入ってるわけだし。
 素敵なリンレン妄想をありがとうございました、Dさま!!
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